パリのエレガンスを完成させるための刺繍アイテムとは…?

気付けば10年以上もフランスで生活していますが、未だにフランス人の言動に振り回されることが多い日々。
この先、老人になるまでこの国で暮らしたとしても、自分がフランス人化することはないのかもしれません…

そんな私も若かりし頃はフランスに、パリに憧れて夢を見た乙女(笑)でした。
現在は乙女時代から数十年?経過し「エレガンス」という言葉がすっかり似あう年頃に突入。
かつて、フランス人のようにお洒落になりたかった自分を思い出しつつ、今読んでいるのがこの本です。


パリのオートクチュールサロン支配人が教える パリのエレガンス ルールブック

内容紹介
どんなハイソな社交の場に行っても、どんなに格式のある場に行っても、どんな玉の輿に乗っても恥ずかしくない服装、もちもの、振る舞いが、A TO Z 式にまとめてある。実用性はもちろん、フランスらしい風刺の効いた記述もあって、読み物としても、楽しめる。

この本ではエレガンスの定義やヒントが簡潔にわかりやすく説明されています。
序盤を読んでいて目に留まったのが…
「ハンカチはイニシャルのモノグラム刺繍のあるリネンが良い」との一文。
アンティークレースや刺繍が好きな方々にはモノグラム刺繍が施されたリネンのアイテムは根強く人気ですが、パリのエレガンスを語る上でも重要なアイテムだったとは…

アンティークレース・刺繍 ファッション雑貨⇒ハンカチ
銀色アンティークでも刺繍入りハンカチ取り扱ってますよ♪

この他にも、古くからフランスに根付いているエレガンスを教えてくれる古典の教科書のような一冊です。

それもそのはず、著者のジュヌヴィエーヴ・アントワーヌ・ダリオーさんは、1914年生まれのパリジェンヌ。
1914年というと、日本では大正三年、第一次世界大戦がはじまった年です。
私たちがアンティークの刺繍アイテムとして探し求めているハンカチは、もしかしたら彼女たちパリジェンヌが当時使っていた、エレガンスに欠かせなかったアイテムなのかもしれません。
しかもハンカチは小さくシンプルな形なので古くても比較的実用可能な状態で残っているものが多くあります。
彼女たちの生きた古き良き時代のアイテムを、現代のエレガンスファッションに取り入れてみるなんて、面白いですね♪

この本はファッションに興味のある若い人ももちろん楽しめますが…
落ち着きを持つ年ごろのアラフォー・アラフィフ世代のマダムたちにおすすめです。
本物のエレガンスはきっと100年たっても変わらない、アンティークのように時代にブレない魅力があるものだと気付かせてくれます。

アンティーク雑貨を扱う上でいつも議論されていること…
「何年以上経過したものがアンティークか?」問題。
銀色アンティークでは戦前戦後を意識した考え方を支持しています。
戦前生まれの著者のジュヌヴィエーヴ・アントワーヌ・ダリオーさんのエレガンスなエスプリはアンティークアイテムを愛用するうえで参考になること間違いありません。

様々な定義づけのある「アンティーク」問題を考察した、下記の記事もあわせてご覧くださいね。

アンティークとヴィンテージの境界線、フランスの場合

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アンティークとミステリー

小さい子供がいて仕事をしていると、なかなか自分の時間が取れない生活になってしまっています。
唯一の息抜きは家事育児の合間のKindle読書。
お料理の煮込み時間や子供の入浴を見守る時間に5分、10分とちょっとずつ読書しています。

短い時間で読み進めるので、あまり集中しなくても読める軽いものばかり読んでいましたが、本来私が一番好きなのはミステリー。
推理小説です。
先日、ふと目に留まってポチしたのが、アンティークをテーマにしたミステリー。
「幻の骨董屋」です。


幻の骨董屋

読み始めるとサクサクと一気に読んでしまいました。
15分もかからなかったと思います。
骨董品がカギとなったドキドキするミステリーでしたが、短編なのでちょっと物足りない感じもしました。

もっとがっつりとしたアンティークミステリが読んでみたいなと思い探してみると、アンティークを題材にしたミステリーは他にもありました。
二時間サスペンスドラマではアンティークが絡んだ事件も多いのですが、ミステリー小説となると意外と少なく…
しかもほとんどがKindle版をだしておらず…廃盤のものも少なからず…
そんな中、ちょっと読んでみたいなと思ったアンティーク×ミステリーをまとめてみました。

実際に読んでお勧めしたいもの、というわけではなく、あくまでまだ読んでないけど興味があるものです。
読んだことのある人は、ぜひご感想などお聞かせください。
外国からなので紙の本は購入できないのが悩みですが、夏に日本に帰国した際に手に入れれるように下調べしております。

闇のアンティーク


闇のアンティーク (扶桑社ミステリー)

世界的な骨董商が正体を伏せてフランス語で発表した小説といわれると読んでみたくなります。
レビューはあまり良くないみたいですが、興味のある一冊。

 

アンティーク鑑定士は見やぶる


アンティーク鑑定士は見やぶる (ランダムハウス講談社文庫)

「競売場の表と裏や、鑑定方法の解説まで、現役鑑定士の著者による裏話いっぱいのミステリ」だそうで、これは読んでみたくなりました。
アンティーク好きな人には興味深い一冊だと思います。
こちらは紙の中古本しか売ってないみたいですので、日本に行った時にはぜひ手に入れたいと思っています。

 

アンティーク鑑定士は疑う


アンティーク鑑定士は疑う (RHブックス・プラス)

「陶器や骨董家具、贋作のからくりまで。現役鑑定士の著者が描くアンティークの魅力いっぱいのミステリ」です。
これも日本でぜひ手に入れたい一冊。

 

待ったなしの偽物鑑定


まったなしの偽物鑑定 (コージーブックス)

表紙の絵が可愛くて目を引いたアンティークミステリですが、レビューではいまいちみたいです…

 

掘り出し物には理由がある


掘り出し物には理由がある―アンティーク雑貨探偵〈1〉 (コージーブックス)

アンティークボタンが事件のカギを握るというミステリ。
アンティークボタン蒐集が高じて銀色アンティークを始めた私としてはどうしても読んでみたい一冊です。

 

ガラス瓶の中の依頼人


ガラス瓶のなかの依頼人―アンティーク雑貨探偵〈2〉 (コージーブックス)

アメリカのアンティーク事情がちょっとわかりそうな、サクサクと読めそうなこのシリーズ。
書評は賛否両論ですが、機会があれば読んでみたい一冊です。

 

死体あります


死体あります―アンティーク・フェア殺人事件 (文春文庫)

何やら怖そうな題名ですが…アンティークについての蘊蓄がたくさんあるミステリだそうです。
Kindle版が出ているので、そのうち読んでみようと思っています。

 

出張鑑定にご用心


出張鑑定にご用心 (創元推理文庫)

鑑定士の内情を垣間見ることが出来る正統派ミステリー、という事でリストに入れました。
Kindle版が出ています。


アンティーク×ミステリの小説はアメリカが舞台になっているものが多いようです。
普段見ている蚤の市や骨董屋とは少し違った世界観かもしれませんので、新鮮に読めそうな気がします。
また、フランスが舞台のアンティーク小説では、お約束ですが「ダヴィンチコード」が面白かったです。
カトリックのアンティークメダイや聖品、聖画に興味のある方は引き込まれる内容だと思いました。

 

というわけで、まだまだ寒く天気の悪いこの季節、おうちでぬくぬくと読書するのも悪くありませんね♪

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フランス文学、プルーストに挫折している方へ…

フランス文学ファンなら誰もが知っている長編小説「失われた時を求めて」。
全七編からなる超大作です。
19世紀末のフランスブルジョワ社会と家族を描いているらしいです。

「らしいです」というのは、私はまだ読んでいないので内容を知りません。
学生のころから「文学好き」としてたくさんの本を読み、読書量はかなりあったと自負しているのですが…
この「失われた時を求めて」だけは、第一編の「スワン家の方へ」の最初の数ページを読んでは挫折し、また再チャレンジしては挫折…の繰り返しで今に至ります。
今でも実家のどこかに本があるはず。
いやもうとっくに処分されているかもしれません。

ところが先日、またまた読んでみたい気分になり、Kindle版のをぽちっとしてしまいました。
今まで読んでいたのは確か岩波文庫だったと思うのですが、今回は高遠弘美さん訳のものを買ってみました。
「プルーストの長く難解な文章を比較的読みやすく訳されていらっしゃる」という書評を参考にしました。

 


失われた時を求めて〈1〉第一篇「スワン家のほうへ1」
高遠弘美訳 (光文社古典新訳文庫)

毎晩の習慣となっている寝る前の読書時間に少しずつ読んでいますが、昨晩「訳者前口上」を読み終えてやっと本編に入りました(笑)
時間がたくさんあった学生時代などとは違い、今は一日に多くても数十分しか読書の時間を取れないのが実情。
少しずつ少しずつ読み進めていきたいです。

さて、今回こそ読破できるでしょうか?!

ちなみに原作であるフランス語のものはAmazon.frでKindle版が無料で読めます!
太っ腹!
仏語に自信のある方は挑戦してみてはどうでしょうか。

g_antique05
A la recherche du temps perdu, tome 1 : Du côté de chez Swann
Kindle版が無料です!

【アンティーク雑貨セールのお知らせ】

2016年1月30日(土) から銀色アンティークWEBショップでソルドを開催いたします。
ショップ内商品を割引価格でお買い物していただくチャンスですのでお楽しみに♪

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五月の連休に、頭を休めたりお勉強したりするための6冊

ゴールデンウィークも残すところわずかになりましたね。
フランスでも5月は祝日が多く、日本のようにまとまった連休にはなりませんがお休みが多いのです。
今年の5月はほぼ毎週週末に祝日がプラスされて、週休3日となっています。

そんな5月の連休に読もうと準備している6冊をご紹介。
アンティーク関連のもの、そうでないもの、いろいろです。
ちなみにこれから読むものに関してはおすすめかどうかまだわかりません(笑)

1冊目 アンティーク・レース―16世紀~18世紀 富と権力の象徴

アンティークレースを紐解くために一番最初に手にした書籍です。
フランス語や英語での専門書を読む前に、日本語で全体的なレースの歴史の流れを知るのに便利です。
写真も多く、わかりやすいのでおすすめです♪
もう何度も擦り切れるほど読み込んだ本ですが、時間があればいつも繰り返し読んでいます。

 

2冊目 Antique Lace: Identifying Types and Techniques (Schiffer Book for Collectors)

こちらもアンティークレースをひも解く専門書です。
英文なのでイングリッシュ苦手な私にはなかなかとっつきにくかったのですが、内容が濃くおすすめの一冊です。
拡大写真なども多く、実物を手に取ってみているような気分になります。
レースの世界にどっぷりと浸る休日を過ごしたい時は、この本を傍らに置きます。

 

3冊目 フランスの聖者たち―古寺巡礼の手帖

前々から読みたいと思っている一冊ですが、kindle版が出ていないためにまだ読めていません。
よって、この5月の休日にも読めないのですが…
メダイやカトリックの聖品を紐解くのに、聖人の姿は重要なヒントとなります。
年代の特定や、それが作られた背景などを知るためには聖人を知るのが一番。
これまでメダイなどで登場した聖人たちは数知れませんが、フランスの聖人たちを体系的に説明してくれる書籍があればいいなと常々思っています。
もし存在しないようならば「メダイで紐解くフランスの聖人」として書籍化してみようかしら?などと野望を抱いていたり(笑)

 

4冊目 天使と悪魔(上中下合本版)

言わずとも知れたダン・ブラウンの著作です。
バチカンを舞台に繰り広げられる陰謀にはらはらどきどきさせられるストーリー。
メダイを手にするようになってからカトリックや聖書にまつわる物語に興味がわいてきています。
もちろん「ダヴィンチコード」もメダイやロザリオに描かれた聖人を通して興味深く読み、映画も楽しみました。
フィクションですが、宗教的な背景を学ぶのにこのような小説はとっつきやすいですね♪

 

5冊目 大きな文字のフランス語会話 : 使えるフレーズだけを見やすくシンプルに!

フランス語初心者の方にとっても見やすそうな入門書。
ページの作りがシンプルなので、シンプルなフレーズが頭に入りやすいです。
フランス語の学習教材は中級以上はなかなか選ぶのが難しいのですが、入門書はわかりやすいのがたくさん出ていますね。
中級以上はフランス人の子どもが読む絵本などでレベルアップが一番かもしれません。
私は、現在CE1(小学2年生)の息子の宿題を一緒にして、このまま一緒に進んで行こうと思っているところ。
まだかろうじて母である私の方が、7歳の息子に教えてあげたりしています。
追い抜かされるのは時間の問題だと思いますが…

 

6冊目 大人もハマる算数

子どもと一緒に楽しもうかと思い購入したのですがなかなか難しく、まだ全て解いてません。
大人でもたのしく頭の体操ができる一冊。
日頃使っていないカチカチの脳をやわらかくすべく、連休は数と格闘しようかと思ってます。
ちょっと難しそうだけど7歳の息子でもできそうな問題もあるので、親子で楽しみたいです♪

 

個人的に好きだったり気になっている6冊を並べてみました。
元々読書好きなのですが、外国に住んでいるとなかなか気軽に読めない日本語の書籍。
フランス語の本を読めば良いのでしょうけど、やはり母国語での読書は最高のリラックスタイムです。
kindleのおかげで読める本が大分と増えて嬉しいですが、まだまだ紙の書籍しかないものも多いですね…

というわけで、5月の連休は読書で静かな時間を過ごそうと思っています。
うるさい家族がそっとしておいてくれればの話ですが…