蚤の市日記 2020/02/02

このところ、毎週日曜日が雨の予報ですが蚤の市が開催される限り足を運んでいます。
体の芯から冷える冬の雨の日は気分的にもどんよりしてしまいますが、それでも巡回してきました。
雨の日に傘をさしての買い付けはなかなか見づらいものです。
売主側も濡らしたくないためか、商品少なめです。
それでもなぜか休む気になれないのは、そんな中でもなぜか良品との出会いがある(かもしれない)からです。

2月になり、日の出時間がだんだんと早くなってきました。
12月は夜明け前の出動でしたが、同じ時間でも2月はようよう明けゆく空、といった感じです。
バス停でバス待ち時間に、向かいのキオスクの写真を撮るのが、なんとなくの習慣となってます。

毎週日曜日の同じ時間にバスを待っていると、同じ面子を見かけることもあります。
中には行き先が同じ人たちもいて、蚤の市会場でいつもバス停であう人と出会ったりするとちょっと親近感を覚えます。
また、毎週必ずいるおじさんがたまにいないと、風邪でも引いたのかな?と心配になったり。

雨の蚤の市。
小雨程度なら気にせずに、露天は開きます。
この日は小雨から本降りに、雨脚が強まり早々に撤収するスタンドが多く。
お天気ばかりはどうしようもありません。
仕方がないとはいえ晴れの引き寄せを持ち合わせていない事に悔しさを覚えたり。

ちらほらと、パラソルを広げて営業していたスタンドも雨が本降りになり続々と撤収されていきます。
いつもは「雨の蚤の市には福がある♪」と公言してる私ですが…
今日ばかりは収穫がほとんどないまま、一回りの巡回を終えてしまいました。

しかし、せっかく出向いたのでなじみ店の店主の顔でも見ていくことに。
レース屋のマダムのお店はアーケード内の屋根ありスペースなので雨でも安心です。
新着品を尋ねたものの3枚だけしかないと言われがっかりでしたが…
しばらくおしゃべりしてるうちに「あ!そうだわ」と思い出して持ってきてくださった小さな箱の中にはフリルのかわいらしいチュールレースがざくざくと入っていました。

収穫なしかと思いきや、思わぬ出費でレース屋を後にしたのでした。

雨の日も地面にディスプレイ。
商品の取り扱いが残念極まりない。
それでも、この適当さが蚤の市の良いところなのかもしれません。

雨脚が強まり、多くの店が撤収となったため、私も早めに帰宅したのでした。
雨の日の蚤の市。
福があるという持論に変わりはありませんが、じんわりと濡れて冷え切った足先で、ちょっとせつない帰路なのでした。

来週は晴れるとよいな…
とみた週間天気予報、次週も日曜日は☂マーク涙。

高額アンティークの世界が垣間見れる「鑑定士と顔のない依頼人」

何年か前に、気になりながらも見逃していた映画「鑑定士と顔のない依頼人」を鑑賞しました。
世界中の美術品を仕切る一流オークション士が主人公。
ある日受けた鑑定依頼を発端にいろんな事件に巻き込まれていく…
そんなサスペンス要素満載のストーリーです。

ここ数年、まとまった時間が取れないために映画を見るのは久々です。
映画を見る目?理解する脳?がなまっているのを感じました(笑)
引き込まれるストーリーでしたが、途中で集中力がなくなり…
休憩を挟んでの鑑賞となりました。

後でこの映画が2時間以上もある長編だと知り、納得。

映画で扱われるアンティーク品は主にオークションで売買される絵画や彫刻。
時代も100年前程度のものではなく、もっと古く骨董価値の高い世界です。
普段美術館でしか見られないような絵画類と、それが売買されるオークションのシーンは興味深く見ごたえがあります。

さらに、古い屋敷の地下室で放置されていた部品を調べたところ…
18世紀のオートマタの部品ではないかと知るシーンは「来た~!お宝発見!」とテンションがあがりました。
これは僭越ながら一同業者として共感を覚えたシーンでした。
一見がらくたのように見えるものに価値を見出す。
この快感は高額品でも蚤の市雑貨でも同じ喜びなのだと思います。

煌びやかで見るからに高額そうなアンティーク品にはもちろん心惹かれます。
反面、埃をかぶった誰も欲しがらないごみのようなもの…
その埃まみれの状態でも価値あるものを見つけだす、それはまさしく宝探しの興奮なのです。

というわけで久々の映画鑑賞、なかなか楽しめました♪

映画の世界観を象徴する、主人公のコレクションルーム。

遺産相続の際に屋敷ごと鑑定を依頼されたり。
「アンティーク業界」というくくりでは同業者の私ですが、世界が違います…

お宝満載のお屋敷に引きこもっている謎の美女…
彼女が主人公の人生を狂わせていくのです。

アンティーク品を扱う時に、腕の良い修理屋さんは頼もしい存在。
イケメン修理士もちょいちょい登場して、ストーリーが展開します。

終盤のどんでん返しはなかなか心えぐられる真相でした。
ハッピーエンドとはいいがたく、見終わった後の気分がどんよりとしたのが残念です。
でも、おすすめか?と尋ねられたら、アンティークの世界に興味のある方は見て損はない映画だと断言できます♪


鑑定士と顔のない依頼人(字幕版)

アマゾンやネットフリックスでも見れます。

蚤の市日記 2020/01/19

心から冷える1月の冬日。
いつものように朝暗いうちから出動して蚤の市を巡回してきました。

最近は暗い朝に早起きすることにも慣れました。
蚤の市を巡回することが楽しみで毎週日曜朝はワクワクと起きてしまうほどです。

蚤の市での出会いはその日その日で1度限りです。
ずっと探していた愛らしい品に出会うこともあります。
逆に会場を2周3周と歩きまわってもなかなか思うものに出会えないことも。

何に出会えるかどこにたどり着けるかがわからない。
それも含め醍醐味でもあります。

この日の出会いは、黒レースの山でした。
黒レースは、繊細でしなやかなシルクの素材で作られたものが多いです。
軽やかなチュール生地にシックなデザインをよく見かけます。
ビクトリアンスタイルとも呼ばれる、一時期を風靡した流行ファッションのドレスパーツに出会うこともあります。

「喪」の印象が強い黒いレースやシルクのドレスですが、よく見ると繊細でとても素敵なんです。
ヴィクトリアンは当時流行の最先端だったスタイルでした。
お洒落に敏感な女性たちはこぞってこのような黒レースのアイテムを身に纏っていました。
その名残の、大切に保管されていた美しい黒レース。
今個人的に最も注目している存在です。

大きく美しい文字が刺繍されたベッドリネン。
質の良いベッドリネンは未だにフランス人にも人気です。
よって状態の良い完品はなかなか手が出ないお値段なのです。

私はいつも行きつけの店で、ダメージ品を取置いてもらってます。
この刺繍部分だけ美しく生き残ったリネン類を、安値で譲ってもらっているんです。

この日も顔を出した私に「いつもの集まってるよ♪」と、マダム。
写真のようなリネンを数枚出してきてくださいました。

いつもの変わらない、蚤の市の風景です。

フランスの蚤の市で出会うアンティークレースについてのお勉強

先日僭越ながら「蚤の市で宝箱に出会う法則」というタイトルで電子書籍を発行させていただきました。
お目通しいただいた方からちょこっとした感想をいただくのが大変嬉しく、思い切って発行してみて良かったです。

蚤の市で宝箱に出会う法則: 銀色アンティークのブロカント日記 “フランスの蚤の市で出会うアンティークレースについてのお勉強” の続きを読む

レース産業の発展の歴史について考える秋…

読書の秋ですね。
先日、意外にもレースの歴史に関して多くのページで語られている、イギリス人作家の書いた伝書を読みました。
思ってもみなかったページからイギリスやフランスのレース、織物産業の当時を知ることができ、とっても得した気分になりました。 “レース産業の発展の歴史について考える秋…” の続きを読む

蚤の市シーズン秋冬に向けて

夏休みが終わり、日常生活が戻ってくるとともに、毎週日曜日の蚤の市巡回も再開しています。
ディーラーさんの中には、7月8月もフランス各地で行われるブロカントに出店していた人もいらっしゃるようで、そんな人は少し時期をずらしてバカンスを取っていたりするため、8月終わりから9月にかけての蚤の市はやや閑散とした会場状況だったりします。 “蚤の市シーズン秋冬に向けて” の続きを読む

ストが続くフランス、蚤の市散策にも影響が…

フランスでストライキが長期化していますが…
ついに、地方都市の週末のお出かけにまで影響が出てきました。
明日日曜日の蚤の市へ行くためのメトロがいつもの時間動いておらず、どうしたものかと困っている次第です(涙) “ストが続くフランス、蚤の市散策にも影響が…” の続きを読む

アンティークなミニプレゼント、読書の秋

中古品、リサイクル品をプレゼントにする人は少ないと思います。
相手に喜んでもらおうと思い贈る品ですので、誰かの使い古したものはちょっと…と思いますよね。

そんな常識はちょっと置いといて、フランスの蚤の市の片隅に眠っているかわいいものを、小さなプレゼントにしてみました。 “アンティークなミニプレゼント、読書の秋” の続きを読む

アンティーク古着、どうでしょう?

量産された洋服が友人や職場の同僚、たまたま電車の同じ車両に乗り合わせてた見知らぬ人などとかぶってしまい、なんとなく気恥ずかしい思いをすることってありますよね。 “アンティーク古着、どうでしょう?” の続きを読む