夏が近づくと、バカンスの計画を立てそわそわと浮足立つのは今も昔も変わらないようで…
1872年7月21日(日)発行の「RENUE DE LA MODE」にはお嬢様の夏の装いの最新情報が載っていました。
夏服にしては露出が少ないのは、淑女たるもの…な時代背景と、避暑地で過ごす設定でのお衣装だからかもしれません。
左のご婦人は黒レースを使ったアイテムを纏っているようです。
アイテムの説明書きを読み解いてみると…カジノ用衣装なのだそうです!
まずふんわりと羽織ったこちらの黒レース、これはフード付きのケープです。
チェリーピンクとブルーのリボン飾りが付いているそうですので…想像を膨らませてみてください(笑)
描かれた質感や模様からして、これはシャンティイのシルクチュールだと思われますが、これも想像。
ケープの下は…
モスリンのロングワンピース、スカートは二段重ねになっており裾は細かいプリーツフリル。
ワンピースのサッシュベルトにも黒レースのケープと同じチェリーピンクとブルーのリボンが使われているそうです。
腰のあたりに垂れた幅広いリボンがそれでしょうか。
ドレスの裾はプリーツフリルの他にリシュリューのスカラップ刺繍やボーダーレースもあしらわれており、さすが最先端のファッションだけあり凝った作りなのが見てとれます!
次に右のご婦人がおめしになっているのは、ディナー用ドレス。
バスク風胴着がこの頃流行していたようです。
すとんとしたシルエットの胴着で、腰位置で切り替えがあり、スカートに少しかぶるような裾デザイン。
袖は優美に広がり、レースとプリーツフリルで装飾されています。
スカートは緑のシルクオーガンジー。
後が長く、前がやや短い形がこの年の流行だったようです。
全体的にたっぷりとしたフレア、膝のあたりに細かなギャザーが入ったデザインです。
更に重ねるようにレース生地の飾りが。
こちらは丸い形で前と後ろに丸くエプロン状に配置されています。
細かなプリーツフリル、リシュリューのスカラップ刺繍やボーダーレースは上記のカジノ用ドレスと共通しているのでしょうか?
丸く広がったデザインで腰のふくらみを強調しています。
こちらも腰に大きなリボン飾りがついておりこの夏の最先端スタイルだったことをうかがわせます。
ちなみに記載ではこのリボンはザクロ色なんですって!
想像力を鍛えてください♪
お衣装の他にもカールをきかせたハーフアップのヘアスタイルと存在感のあるイヤリングも、この夏の流行ですのでお忘れなく!
【おまけ】
パリの最先端ファッションをお探しのマドモワゼルにおすすめ、マダム・パヤンのお店をご紹介♡
一番人気は「イザベルモデル」
繊細なレースと華やかなリボン使いが今年風♪
モスリン生地の上にヴァランシエンヌレースがたっぷりとあしらわれています。
この夏の最新「イザベルモデル」はヴィヴィエンヌ通りのマダム・パヤンのお店まで♪
※現存しているかどうかの保証はありません。
6月はフランスでは年度末の月でもあり、大人も子供もヴァカンスの予定に心躍らせております。
私も7・8月は日本での里帰りヴァカンスが楽しみすぎて今から鼻歌歌っています。
関西限定にはなりますが、アンティークレース等手に取ってみていただける場も計画しておりますので皆様にお会いできるのを楽しみしています♪