先日蚤の市で、汚れのひどいアンティークのワンピースを見つけました。
濃いシミや全体的な変色など、状態が良くなかったためお値段交渉し何枚か譲ってもらいました。
汚れはひどかったものの、モノグラムの刺繍がとても可愛らしく、破れやほつれ等のダメージもほとんどなかったため染み抜きに挑戦!
濃いシミがたくさん! このままでは着れません…
普段ならこのレベルのシミ汚れは、お洗濯で落としきる自信がないため購入しません。
コレクションレースなど、稀少さが求められているものは多少の汚れがあっても構わないかもしれませんが、古着はたいてい実用的に着用する場合が多いので、汚れが多くては使い物になりません。
汚れはひどいほど落としがいがあるというもの。
どのくらいきれいになるか実験です!
お洗濯前の汚れの状態はこんな感じです。
醤油が染みついたような濃い汚れ、小さな汚れもあちこちに。
コーヒーをこぼしたような広い範囲の汚れ、霧を吹いたような無数の点々汚れ…
いろんな汚れが見本のように広がっています。
一筋縄ではいきそうにありません。
ステップ1 素材&強度を確認
アンティークの古着はデリケートな素材のものも多いため、染み抜きの前に素材と強度を必ず確認します。
今回染み抜きするのは織り目の細かいコットン生地のワンピースとブラウス。
ダメージはなく比較的丈夫な素材で、水洗いや漬け置きをしても問題はなさそうです。
シルク素材や薄い生地、チュールレースなどは水洗いをできる限り避けた方が良い素材です。
このような素材のものには今回のお洗濯方法は参考にしないでくださいね。
ステップ2 酸素系漂白剤で漬け置き
まずは、酸素系漂白剤でつけ置きしてみます。
使用したのは、”percarbonate”。
フランス🇫🇷ナチュラルなお洗濯のための洗剤としてオーガニックのお店などで売られています。
粉末洗剤のような白い粉で、40度以上のお湯に溶かして漬け置きします。
お湯の温度は高ければ高いほど良いと、フランスのおばあちゃんたちは鍋で煮たりするそうです。
タンパク質系の汚れに強く、食べこぼしや汗などの汚れを落とすのに向いています。
経年変色の多くがこの酸素系漂白剤で綺麗になります。
今回は50〜60度のお湯に3時間ほど漬けた後にすすぎ、脱水をしました。全行程を洗濯ネットに入れて行います。
お洗濯の結果はこのようになりました。
ブラウスの薄いシミはきれいになりました。
ワンピースの広範囲のシミ、濃い色のシミは若干薄くなったもののまだ残っています。
着用するにはもう少しきれいな状態でなければなりません…
ステップ3 塩素系漂白剤を部分使い
酸素系漂白剤で随分と綺麗になりましたが、まだ部分的に目立つシミが残っています。
こんな場合はやはり塩素系漂白剤の出番です。
綿棒につけてシミの部分だけに丁寧に塗布します。
長時間の放置は生地を傷める原因となりますので1時間ほどですすぎました。
塩素系の漂白剤は漂白・除菌効果が高く、フランス家庭のお洗濯やお掃除に欠かせない洗剤です。
しかし、頻用しては生地を傷めたり匂いで気分が悪くなったりすることもあります。
とても強く、扱いに注意が必要な薬品だということを念頭に置いて注意深くご使用くださいね。
今回のコットンワンピースは強い素材だったため、塩素系漂白剤でダメージが出ないと判断しての使用となりましたが、薄い生地や古くて繊細な生地の場合はお勧めできませんので、最終手段としてお試しください。
綺麗になりました♬
お洗濯の結果、汚れ、シミはほぼきれいに落とすことが出来ました。
白が眩しい!
きれいになったのは良いのですが…
お洗濯の過程でワンピースの肩の部分についていた貝ボタンが砕けて割れてしまいました。
やはり古い素材はどんなに丁寧に扱っても、もろくなっている部分があるみたいです。
幸いボタンは付け替えれば使えますので、修繕をしようと思います。
今回は丈夫な素材のアンティーク古着のシミ落としについてでした。
ご参考になれば幸いです♪
※こちらの記事に記載した、アンティークレースのお手入れ方法などは個人的経験に基づくものであり、効果を保証するものではありません。ご利用の場合は自己判断でお願いいたします。