100年前のファッション誌に出会う
蚤の市の片隅で、1905年発行のフランスの女性誌「Femina」を見つけました。
Feminaは1901-1954にかけてフランスで発行されたファッション雑誌。
ブルジョワジー層が対象で、ゴージャスな紙面には当時の女性の憧れが詰まりに詰まってあふれ出ています。
フランスの有名な文学賞「フェミナ賞」は、後にこの雑誌のタイトルからつけられたんだそうです。
100年前のファッションやレースについての貴重な資料になると思い購入したものの、読み始めると当時の華やかな世界に引き込まれ、つい時間を忘れる面白さ。
写真やイラストがふんだんな、何ともフェミニンなページの数々にうっとりしながら眺めるのは至福のひと時です。
目を疑うレース使いの贅沢さ
100年前のマドモワゼルたちのあこがれのファッション、流行を生み出したであろうドレスの数々。
そのレース使いの贅沢さには目を見張るものが…
華やかなデザインのものはディナー用のドレスが多いのですが、それにしてもふんだんなレース使いにため息が漏れ出るのを押さえられません(笑)
当時のドレスが完璧な状態で残っていたら、どのくらいの高額になるんだろう…?など下世話な事も考えつつ、裾にしつらえられたレースの一片でもかまわないので手にしてみたいものだと欲がわきます。
フェミナはヨーロッパ各国の王族のスナップフォトなどを掲載することもあり、プリンセスたちが着用しているドレスは上の写真の物以上に高貴な雰囲気があふれていたりします。
ため息が止まりません…
普段着と言えどもなかなかゴージャス
何ともゴージャスなマドモワゼルたちのお衣装ですが、もちろん昼間の普段着はもっと質素。
ロングスカートにブラウスが定番の組み合わせのようです。
ディナードレスより質素とは言え、こちらにもレースがふんだんに使われているのが見てとれます。
フリルやレースのあしらわれたブラウスは、写真を見る限りコットン素材のものが多いように思います。
毎日着るお洋服ですからお洗濯にも耐える実用的なつくりになっているのでしょう。
1905年の流行はハイネックスタイルだったのも見て取れるフォトの数々。
やはり写真で見ると実際の様子がすごく伝わってきます。
ファッションプレートなどのイラストも素敵な雰囲気に当時を伝えてくれますが、写真にはそれを上回る現実味があるように思います。
どこかで見たような…流行のヘアスタイル
ヘアスタイルも当時の流行が垣間見れます。
ふんわりと結い上げて頭頂でシニヨンにするこのスタイル…
どこかで見たことがありますよね!
そうです!黒柳徹子さんヘアーです(笑)
現在でもこの1900年スタイルを貫いている徹子さんですが、よく見るとファッションもこの年代のものを意識されたものが多いように思います。
個性的なファッションとヘアースタイルは徹子さんのオリジナルかと思ってましたが、正統派の1900年式にかなり近いものですね♪
流行を伝えるイラスト
写真雑誌と言えど、1905年と言えば現在のように写真を多用に使った雑誌作りが難しい時代だったと思われます。
写真と同様に流行のファッションを伝えるイラストもたくさん使われています。
ファッションプレートよりはやや劇画タッチ、日本の少女漫画の原型に近い感じでしょうか?
このようなイラストは当時のデパートのカタログなどにも使われています。
流行を伝えるには写真よりもある意味効果的だったのかもしれません。
さらに写実的に描かれたものも。
小説の挿絵などにもよく見られるスタイルです。
こちらは一見写真にも見えるほど繊細なタッチで描かれています。
実際にこのイラストは目を凝らしてよく見ても写真との判別がつかないほどですが、ありえない頭身バランスと腰の細さはイラストならでは(笑)
すごいテクニックを持ったイラストレーターさんがたくさんいらっしゃったのでしょうね。
1905年の写真雑誌は歴史的資料としてひも解くのも良いですが、当時のマドモワゼルになった気分で軽くパラパラとページをめくり眺めるのも楽しいひと時です。