蚤の市でのアンティークレース買い付けのポイント

アンティークレースを求めて蚤の市へ行かれる方も多いかとおもいます。
最近は良質なレースがなかなか安値では手に入らないのが悩みのたねですが、そんな時でも焦って失敗買いをしないための買い付けポイントを整理してみました。
ぱっと見て美しいか、魅力的かがわかりやすい商品でもあるので、直感に頼って間違いはありませんが、レースばかりたくさん見続けていると視点が麻痺してよくわからなくなってしまうのも確かです。
そんな時は原点に返って、大切なポイントをしっかりと見極めることが一番です。

 

シミ、変色、損傷…などの状態を見極める

まず、アンティーク品を買うときに一番大切な点、消耗具合を確かめることです。
アンティークレースは布物ですので、汚れが簡単についてしまうデリケートな商品です。
売られている状態が地面に直置き(笑)など汚れを気にせずカジュアルな扱いをされているものも時々見かけます…
しかし、逆に言うと汚れのついていないアンティークレースなどほとんど出会うことがないわけです。
ですので、汚れ具合を見る場合は、その汚れが簡単なお洗濯で落とせるかどうか?という視点で見るのが良いかと思います。

古いレースの場合は全体的に変色していることが多くあります。
これは長い年月を経てきた証しでもあり、アンティーク品の魅力として好まれる場合もあります。
ただし、保管状態が悪いものの中にはカビや虫食いなどがある場合も。
古い箱の中にしまわれたレースなどは、湿気も含め要チェックのポイントです。

濃いシミがある場合、年月を経てその部分から破れてきたり、繊維が消耗してしまったりすることもあります。
また染み抜きをしようと強めの洗剤を使うことによって繊細な繊維が切れてしまったり。
やはり汚れやシミはできるだけ少ないに越したことはありません。

破れているレースでも、個人使用できれいな部分だけ使う場合などは問題ありません。
しかし、販売目的で買い付ける場合は破れ箇所は大切な確認ポイントです。
大きなレースの端の方だけ少し破れているような場合はさほど気にならないですが、中央部分だと商品価値がまったく変わってきます。

レースの種類を確認する

きれいだな、と感じるものであればレースの種類はどれでも関係ないのかもしれませんが、時に種類・技法が価格や希少性に大きく関係することもあります。
アンティークレースは大きく分けて、クロシェレースニードルレースボビンレースの3種類が主です。

この中で、クロシェレースは手編みで仕上げられているハンドメイドのレースです。
モチーフをつなげたタイプなどが多く「レース編み」といえばこのタイプを思い浮かべる人も多いと思います。
また、ハンドメイドの中でもメゾンメイドのものが多く存在し、技術の高いものから素人の習作まで、幅があるので注意が必要です。

ニードルレースは、華やかなモチーフとボリュームのある表現が魅力です。
年代物のハンドメイドだと相当の手間暇をかけて贅沢に作られているものが多いのですが、近年メカニックで模倣したアンティーク風レースで多く作られているのもこのタイプのレースです。
ハンドかメカニックかを見分ける目は一日では養われませんが、両者を並べて見比べると一目瞭然ともいえます。
ニードルレースはその昔、宝石同様の価値を持っていたとも言われており、上質なものには高値が付くのも特徴です。

ボビンレースは幅広い表現が可能なレース織の技法です。
そのため一口で特徴を説明するのはむつかしく、レースの価値としてもピンからキリまで幅広いです。
繊細な透けるチュールレースから、素朴でざっくりした織地のものまでフランスで見かけるアンティークレースの中では一番ポピュラーなレースだといえます。
ボビンレースはハンドメイドとメカニックの見極め、年代の特定がむつかしいです。

作られた年代、使われた年代

古ければ古いほど価値が高いというわけではありませんが、やはり年代は大切なポイントです。
ドレスの一部に使われていたものなどで、大切に丁寧に保管されていたものは19世紀のレースでもシミ一つなく美しい状態です。
アンティークレースには製造年月日が記されているわけではないので、年代については推測の域を超えない場合が多いです。
また売り主の方から聞いた年代をそのまま受け売りでお伝えすることもありますが、売り主さんはそのレースの出所をご存じなので信憑性が高いです。
昨年90歳で亡くなったマダムのお嫁入り道具だから、いついつ頃のものだろうなどなど…
でも中には適当なことをいう人もいますので、私は大体いつも同じ信用のできる売り主さんから買うことが多いです。

サイズ、価格は大切

単純なことですが、レースの長さと価格の確認は大切です。
たくさんのレースを取り扱っていると、面倒になったり感覚が麻痺してしまったりして、時々失敗してしまいます。
長さに対して価格が適正か?と一度冷静になれれば上手な買い付けができると思います。

ハンドメイドか、メカニックか?

ハンドメイドが必ず価値の高いものだとは限りませんが、やはり人の手で丁寧に作られたレースの魅力は素晴らしいものです。
一針一針手刺繍でステッチされたニードルレース、一針一針細かく編み込んだクロシェレースetc…
こんなフレーズを聞くだけで、そのレースに惹きつけられる場合もあります。

しかし、ハンドメイドが当たり前だった時代には、最先端のメカニックで作られたレースが逆に高価だった時代もあったそうです。
ハンドの魅力、手仕事の技は価値の高いものではありますが、人の手では表現しきれない繊細なメカニックレースにも、その時代その時代で価値があったわけです。


蚤の市の高揚した雰囲気の中では冷静な目で商品を見極めるのがむつかしい時もあります。
そんな時は初心に帰って上記のようなポイントを思い出しながら買い付けしています。
蚤の市に行かれる方、参考にしてみてください。

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