母の深い愛情があふれる、絶えざる御助けの聖母のメダイ

メダイ蒐集という視点から人気の聖人について考察してみました。

絶えざる御助けの聖母(Notre-Dame du Perpétuel Secours)は聖書の中の一場面を描いたイコン画です。
聖母マリアにしっかりとしがみつく幼いイエスキリストが描かれたメダイ。
聖母子に受難を運ぶ天使ミカエルとガブリエル、恐怖の表情を浮かべる幼子のイエスキリスト、履物が片方脱げかけた姿が迫りくる恐怖感を表している特徴的な構図です。




高貴な衣装と冠

元々の画はこのように色つきで、美しい衣装や冠が印象的。
聖母マリアは、赤の胴着に緑の裏地の青い胴着を着ています。
この時代、未婚女性は赤の胴着を、子どものいる女性は緑の裏地の青い上着を身に付けていたと言われており、乙女でありながら母親でもあるという表現だそうです。
また、幼子のイエスキリストも、緑の胴着に赤い帯、金の衣という王族のみに許された衣装を身に付けています。
残念ながらメダイでは色はわかりませんが、頭の美しい王冠は特徴のある華やかなデザインです。
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天使が受難を運んでくる…

聖母子の左右には大天使のミカエルとガブリエルが描かれています。
二人の天使はそれぞれの手に受難を運ぶ道具を持っています。

右のガブリエルは十字架と4本の釘を持っています。
これは後に、十字架に釘で両手両足を貫かれる受難を示唆している道具です。
左のミカエルは脇腹を刺した槍、葡萄酒に浸した海綿を刺した草の茎と器を持っており、これらも受難を運ぶ道具です。

まだ幼いイエスキリストは、この天使たちが持ってきた道具を見て、数十年後に自分に襲いかかる受難を悟ったのでしょうか…
そのために怯え母の腕にしがみつき、恐怖の表情を浮かべています。
またこのイコン画の特徴の一つである、幼子イエスキリストの足から落ちそうな紐の着れたサンダルからも、襲って来る恐怖が伝わってきます。

華やかな衣装を身に付け、美しい冠を頭に乗せた聖母子像ですが、構図の元となったイコン画の意味を知るとまた違った風に見えてきます。
まだ小さな男の子が恐怖から逃れようとお母さんにぎゅっと抱かれている、何とも胸の痛む姿なのです。
また、そんな息子の怯える姿を見たお母さんの心配そうな眼差しも心に刺さります。

絶えざる御助けの聖母のメダイの特徴

このメダイの特徴は、聖母の腕にしっかりと抱かれた幼子キリスト、左右に大天使ミカエルとガブリエル、の構図です。
母の腕に抱かれた聖母子の構図はスカプラリオなどでもあるのですが、やはり一番の特徴は、幼子の足から落ちそうになった紐の着れたサンダルです。
また、この構図のメダイの逆面はキリストの聖心の図柄が描かれることが多いようです。

受難を受け入れ、絶えず見守り、どんな時も助けの手を差し伸べる、母の深い愛が込められたメダイです。

 

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