フランスの冬はどんよりとした曇り空が多く、気がめいる日が続きます。
なんでも日照時間が少ないのが原因でうつ病になる人が多いそうです。
やはり太陽の光を浴びるってとても大切なんですね。
そんなどんよりした空模様のなか、真冬の蚤の市へ行ってきました。
日照時間とは関係ありませんが、諸事情でここひと月ほど睡眠不足が続いており心身ともにどんよりした中での仕入れでした。
疲れた体に鞭打って早起きし、寒い中行ってまいりました。
毎週仕入れに行く蚤の市へ向かう道のりはこんな道です。
何の変哲もない、さほど情緒もない普通のフランスの国道。
途中で橋を渡るのですが、この季節は寒々とした風景です。
蚤の市会場では氷点下の気温にもかかわらずたくさんのスタンドとお客さんが…
寒いけどお天気の良い日だったので、人々の顔も明るく感じました。
手足が凍りつくほど寒くても、私は冬の蚤の市が大好きです。
観光客や冷やかし客が多い夏の蚤の市も賑やかで良いのですが、やはり店主さんたちとのおしゃべりは冬に弾みます。
そして不思議な事に寒ければ寒いほど、お天気がひどければひどいほど、値引きをしてくれる店主さんが多いです。
「もー、寒いからまけとくよ!」的な、嘘みたいな価格で掘り出し物が買えたりするのもこの季節が多いです(笑)
蚤の市会場を歩き回っていると、かわいいもの、面白いもの、不思議なもの…いろんなものに出会います。
そしてなじみの店主さん、初めて見るお店、居合わせた他のお客さん…いろんな人と出会い話します。
日々の雑念を忘れて、アンティーク雑貨に心を奪われるうちに、何だか気分が明るくなってくるように感じました。
体は芯まで冷え切ったけど心は温かく、気持ちは弾むような感覚が戻ってきました。
蚤の市に通う事は今の私にとって欠かせないライフワークとなってきています。
こうやって元気を取り戻し、また毎日を楽しく乗り切って行く力が湧いてくるような気がします。
そして…常々思う事ですが、疲れ切った心ではアンティーク雑貨の古さの魅力や可愛らしさに心がときめかないように思います。
心にゆとりがなければ、些細な面白みや美しさを感じる心のアンテナが鈍るのではないでしょうか。
銀色アンティークのアンティーク雑貨に目を留めてくださる皆さまは、きっとアンテナの精度が良く、心にゆとりがある方々なのだと思います。
新しくてかわいくてお手頃価格のものがたくさんの現代に、わざわざ古いものを愛でる事、それこそが心のゆとりというものなのかもしれませんね。