アンティークのメルスリーを扱うようになる前は、ほとんど知識のなかったアンティークレースの世界。
たくさん見て触って分類して観察して…
5年経った今ではそれが随分と蓄積されてきました。
よくアンティークレースの勉強の仕方を質問されるのですが、私の場合はとにかくたくさんのレースに触れる事で感じ取ってきた知識です。
勉強の仕方、と言っても気の利いたアドバイスができません…
最初は年代物のヴィンテージか、現行品のレースかの違いでさえも判りませんでしたが、いろいろと見ているうちに見分けができるようになってきました。
また、信頼できるレース商のマダムの元に毎週通いレース談義を通じて貴重な教えをいただいたことも。
そんな風に見分け方も仕入れ方も実践あるのみでやってきました。
とは言え、少しばかり専門書を読んだりインターネットで知識を得たりした部分もあります。
持っているレースの専門書は2冊。
Antique Lace と アンティーク・レース―16世紀~18世紀 富と権力の象徴
です。
一冊は英語の書籍なのでイングリッシュの苦手な私は読むのに苦労してますが、写真が豊富で解説も詳しく頼りになる一冊。
書籍から得た知識はとても専門的で一気にレース通になったような気分になりますが…
やはり実物を手にしてじっくり見てルーペで眺めて…と自分の目で確かめて初めて身につくような気がします。
たくさんのレースを見る機会のない方でも、上質なレースをしっかりと見ればいろんな気づきがあると思います。
そして、いくらたくさんのレースを見ても、専門的な解説がなければなかなか知識につながっていきません。
実物を見て気になった事を書籍で調べる…コレの繰り返しに尽きると思います。
とはいえ、気になるレースの種類や年代が必ずしも本やサイトで判明するわけではありません。
わからない事の方が多いと言ってもいいかもしれません。
ページの写真が小さすぎて詳細部分がわからずにもどかしい思いをすることも。
そんな時はお客様ご自身の目でそのレースを判断してもらおうと、手に取ってのに近い、ルーペで見たような、そんな詳細部分を伝える事の出来る写真を掲載することで解説の不足を補うようにしております。
これはレースに限らず、布やボタン、雑貨類、メダイやロザリオ等でも同じ事。
百聞は一見にしかず、と言う通り、言葉であれこれ説明するよりも、拡大写真をお見せするのが一番伝わる方法だと思います。
しかし、初めの頃の私がそうだったように、説明を聞いてそのストーリーに惹かれるレースとの出会いがあるのも確かです。
見た目で心がひきつけられた後、詳しい描写があればなお響く美しさも。
言葉では伝えきれない部分を写真で、写真では伝えきれない部分を言葉で補いより正確に魅力を伝えられればといつも試行錯誤しております。
【参考書籍】(amazonのページにリンクしています)
Antique Lace: Identifying Types and Techniques (Schiffer Book for Collectors)