骨董価値を見極める10のポイント

L’info de la Brocante et des Antiquité より、骨董品の価値を見極める10のポイントをご紹介します。

個人的な見解や意訳部分もありますが、なかなか面白い記事でした。
これは大きな家具や絵画などの高価な骨董品を扱うような場面での話なのかもしれませんが、私どものように小さな可愛らしいものを掘り出す際にも頭の片隅に置いておくと良いかもしれません。

骨董価値を見極める10のポイント

アンティーク商品、骨董品の本当の価値は、インターネットの情報や売主さんの付けた値段だけで決まるものではありません。
アンティーク品の価値をきちんと判断したい場合、いくつか注意をしなければならない点があります。
次にあげる10のポイントは、古いものの価値を知るために外してはならない点で、これを踏まえてものをみればプロの評価に頼らず自分で判断できるようになります。

【個人的見解】
当ショップの場合は特に売主であるフランス人とお客様である日本人の価値観の違いをしっかりと把握したうえでお品をセレクトさせていただいています。
なので売主さんの価値観でつけられたお値段ではなく、自分で「〇〇ユーロなら買う」と決めてからお値段を尋ねるようにしています。
ある意味自分本位な買付けではありますが、売主さんのノリに流されないように気を付けてセレクトを楽しんでいます(笑)

 

1、ブランドを見過ごさない

「ブランド」というと高価できらびやかなイメージがあり、好みが分かれるところですが…
アンティーク品に関して言えば、製造者やメーカー名、デザイナーなどの名前が刻印されている商品は、何もない同等のものに比べれば価値は高くなります。
露店の市などでは難しいかもしれませんが、できればルーペなどでしっかりとマークを探して確認することは忘れてはいけません。
このようなマークによって、そのお品がハンドペイントであったりハンドメイドであったり、または時代背景など、たくさんの情報を得ることができます。
これらを見逃すことなく慎重に調べてみてください。

【個人的見解】
銀製品や陶器類は刻まれた刻印がとても重要な意味合いを持つためしっかりと確認しながらセレクトしています。
また布類、刺繍やレース類は機械で仕上げられたものか手仕事のものかは年代を判別する大切なポイントなため、常に見る箇所です。
WEBショップというお店の特性から、お客様にわかりやすい判断材料を提供するために、これらははずせない要素です。

 

2、商品状態をよく見る

アンティーク品の価値を決めるのに、最も重要なのはやはりそのもの自体の状態ではないでしょうか?
もし「希少品」「お宝」と言われているお品を見つけたとしても、それが、ひび割れだらけや虫食いだらけ、修復不可能なほどぼろぼろだと購入するのは考えた方が良いかもしれません。
このような、消耗や傷、染み、汚れ、破損、部品不足などがある場合は、それが致命的な欠陥か、簡単に修理できる程度のものか今一度考えてみましょう。
同じ年代の同等商品があれば、当然のことながら状態が新品に近いものの方が価値は高いと言えます。

【個人的見解】
自分用に購入するものならともかく、お客様にお渡しするためのお品ですので、損傷や汚れはとても気になる箇所です。
特に布類はあまりにも不快なしみなどがあるものはなるべく選ばないようにしていますし、ひどい場合はしみ抜きなどする場合もあります。
しかし、中にはこのような歴史の中での汚れや傷を愛してやまないお客様も中にはいらっしゃるので、判断が難しいところなのです。

 

3、希少品か、量産品か?

蚤の市では時々とんでもない価値のある希少品を掘り出したのではないか?!と思うお品に出会う事があります。
もし、そのお品そのものの形や質感、デザインなどに惹かれた場合はその直感に従って購入するのも悪くはありませんが、希少価値を狙っている場合はそれが本当に希少品なのか、後に量産されたコピー商品でないか注意深く判断する必要があります。
判別不能な場合は、その分野のお品に詳しい人の意見を聞く事も大切かも知れません。

【個人的見解】
毎週の蚤の市での仕入れの中で、よく見かけるもの、なかなか出会えないもの、探しても見つからないもの…などが見えてきます。
世間で「希少」と言われているものでは当ショップのお客様のお好みに合わなければ価値がありません。
ショップの商品説明の中で「希少」という言葉を使う時は、お求めのお客様が多いけれどなかなか買付けするのが難しい、という意味も含めております。

 

4、古さ=価値とは限らない

アンティーク品の価値は、より多くの人が欲しいお品かどうかによって決まってきます。
「アンティーク」の定義としてあげられる、100年以上の時が過ぎたお品は相変わらず人気ではありますが、物によってはこの100年の月日がそれほど意味を持たない場合もあります。
例えば古いポストカードの場合、たくさんのきれいな写真や絵、祈りの言葉がちりばめられた美しいカードがあり、100年以上の時を経ているものも多くあります。
なので、アンティークポストカードは100年以上の経年はそれほど価値をもたない事も多いのです。
反対に、なかなかお目にかかれない珍しいカードを一枚持っていたとすれば、それは同じ年代の他のカードよりとても価値が高くなります。
このような希少性のあるものならば、コレクターさんや専門のディーラーさんの間でははがき一枚で1万円以上の値を付ける事も珍しくはありません。

【個人的見解】
蚤の市での買い付けでは、お品の年代だけにこだわらず見た目に美しく心に響くかどうかを重視してセレクトしています。
たとえ古くて珍しい、と言われてもピンとこないものは選びません。

 

5、本物か、偽物か?

もし、家族に代々伝わる骨董品があり、由来や歴史などがはっきりしている場合は、そのお品は信頼できるものだと言えますよね。
しかし、もしそれが蚤の市やアンティークマーケットで売られているものの場合は、価値を判断する前によく確認して調べなければなりません。
売主談だけでは本当の由来や価値は見えてこないのが常識です。
老化の具合や消耗から推測する年代だけでなく、もし刻印などのマークがあったとしてもそれを信用する前に不審な点がないかよく見る必要があります。
お品の作られた年代を推測するのには細かい部分まで注意深く見なければなりません。
例えば、ブラックライトを使って骨董品を鑑定するのは最近では一般的な手法となってきています。

 

6、「復元」や「修理」が施されているか?

プロの手によって施された「復元」は、アンティーク品の価値を上げるけれど、素人の手による「修理」の場合は違います。
例外はあるにしても、多くの場合素人の修理が施されたお品はその価値を下げてしまう事が多いのが事実です。
オリジナルの古さの魅力が台無しにされている場合は、その骨董価値を判断する際に重要なマイナスポイントとなるからです。
高価なお品の場合、接合部に使われている糊や小さな部品に至るまで、当時のものが使われているかを調べる事もあり、すべてが判断の基準となります。
やはり、素人が判断するのは難しい分野のものは専門家の助言を求めるのが妥当だといえます。

 

 

7、復元により価値が上がるか?

古いお品には経年による消耗や破損がつきものですが、必ずしもそれで価値がなくなってしまうわけではありません。
アンティーク品を取り扱う売主さんの多くは、ちょっとしたキズや汚れや消耗を目立たなくさせたり、部品を強化したりして売りに出したりしています。
大きく破損したものや使い道を失った古いお品は、元の用途やデザインと違ったものに作り直されたり、アーティストの手によって新たな姿に生まれ変わる事もあり、場合によっては大きく価値が上がる事も。
消耗が激しく使い物にならないアンティーク品でも、捨てる前に一度その価値を見直してみる必要があります。

【個人的見解】
銀色アンティークのお客様には作家さまも多くおられ、アンティーク品に手を加え新しい作品に仕立て上げてくださっています。
そんなオリジナルの作品はまさしくこのケースだと言えるかもしれません。
アンティーク材料を使った作品には既製品にない個性があり、本当に心惹かれるものですよね。

 

8、市場の評価を気にかける。

もし、オークションガイドやインターネットの情報でアンティーク品の価値を記載している場合、その価格判定が現在の需要に合っているかどうか考えてみてください。
今日ではアンティークの市場でのお品の価値は、とても変動が早いのが常識となってきています。
事前に価格を調べていたとしても、時に急落して「アンティーク」としての付加価値がなくなる場合も少なくありませんし、ディーラーさんが入手するのが難しいお品の場合は逆にどんどんと値を上げているからです。
あなたの扱うカテゴリーのお品には常に注意を払い、価格の変動を気にしておきましょう。

 

9、専門家の意見を聞いてみる

アンティーク品の価値を判断するために、自分一人の考えだけではなく何人かの人の意見を聞くのはディーラーさんの間では常識だと言われています。
判断に迷った場合は、その分野に詳しい知人や信頼できる専門店などに意見を求める事も大切です。
時には彼らの意見より自分の直感を選ぶ場合もありますが、レアアイテムなど自分の知識が及ばない場合には専門的な意見から適切なアドバイスを得ることもよくあるからです。

 

10、公平な目で骨董価値を考える

アンティーク品の価格を決める時、ディーラーさんはそのお品の平均値だけではなく最高価格や最低価格、類似品のお値段なども参考にしているそうです。
時にはオークションで高額取引されていたものと同じお品がアンティーク市では無価値とみなされ低価格で購入できる場合などもあるからです。
特に蚤の市や屋根裏部屋の片付け市(フリマのような)ではそのようないわゆる「掘り出しもの」や「お宝」が売られている場合も多く、そういった市での価格は本当の価値には関係ありません。
しかし、だからこそアンティーク品の本当の価格を決めるのはとても難しいと言えるのです。
一番最近の価格情報は、市場での価格変動を見極める最良の情報でもありますので、広く公平な目でお品の価値を考える必要があるといえます。

原文記事:Comment Evaluer une Antiquité

 

古いお品の価値について、またショップでの価格設定についていつも頭を悩ませておりました。
このような高額な本物のアンティーク業界でも、お品の価値を見極めるのは至難の業なんですね。
結局は足しげく市に通い、目を肥やし、自分の判断力を育てることが大切なのかもしれません。

 

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