Le Puy en Velay ② ボビンレース

巡礼路の出発点であるル=ピュイ=アン=ヴレーですが、もうひとつの顔は『ボビンレースの街』。
フランスのヴィンテージレースレースの多くがこのボビンレースの技法で作られています。


1800年代後半の胸当て(ヴァランシエンヌと白刺繍を使ったノルマンディレース)

この街では1407年に街のシンボルの黒い聖母を飾る目的で新しい技法のボビンレースが考案され、その後レースの流行と共に進歩を遂げてきました。
16世紀には貴族の間でレースが大流行し、その価値はまるで黄金のように高騰していきました。
それでも美しい魅力にあらがえず、レースが原因で破産する貴族が続出…(笑)
その結果、17世紀には「レースの製造及び販売を禁止する!」との法律ができたほどだったそうです。
これはレースの産地であるル=ピュイにも大きな打撃を与えた事だと思います。
そんな逆境を乗り越えつつ、現代でもレースと言えばル=ピュイとの名前を残しているのですね。
美しいものを愛おしむ気持ちは法では押さえつけられないのでしょう。

『ボビンレース』と一言で言ってもその技法は何通りもあり…
銀色アンティークでもハンドメイドのボビンレースをたくさん仕入れ扱っていますがその一つ一つが様々な技法を組み合わせ丁寧に作られたものだという事を再認識しました。
特に1920年にメカニックレースが出始めるまでのものはすべてハンドメイド。
メカニックレースが開発されても、しばらくはハンドメイドのレースが主流だったのだそうです。
当時の女性たちが毎午後集まりこの繊細なレースを作り上げている様子を写真や映像で見て、昔の人の手仕事の技術に改めて深い感銘を受けたのでした…


ろうそくの灯りを頼りに手を動かしていく彼女たちの洋服もまたすてきなレースでさりげなく飾られており、レースが生活に密着した自然な存在だったのだと想像しました…
まだまだレースについてご紹介したい事が山ほどありますが、次回に続きます…

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