アンティークレース

少年たちのレースファッション

凝ったデザイン、上質のレースで飾られたドレスをアンティーク市で見かけると「お!!」と胸が高鳴りますが、このような素敵なドレスは何も大人用だけではありません。

欧米のカトリックの国では、赤ちゃんが生まれた時に洗礼式用を行う習慣があります。
その際のセレモニードレスは、まだ首も座りかけの赤ちゃんに着せるものとは思えないほど繊細上質、大人顔負けのでデザインで作られているものが多いです。
日本でいうところのお宮参りに似た感じでしょうか…

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このようなセレモニードレスは一度着用し、その後は記念と思い出のためにまた箱に入れ、長い間大事にしまわれていることが珍しくありません。
そのため、長い年月を経てもとてもきれいな状態で手に入れることも可能です♪

それ以外にも上流家庭のお子様の持ち物だったのかと思われる、可愛らしいドレスや飾り襟は、アンティークレースアイテムの中でも一つのカテゴリーを作れるほど。
豊富なデザインと、手作り品が少なくないことに親から子へそそぐ愛情の深さが計り知れます。

さて、そんなフリルやレース、刺繍がふんだんに使われたロマンチックな幼児用のドレスですが…
実は女の子用のお洋服というわけではありませんでした。
フランスでは昔、男児にも女の子のようなレース、フリルのドレスを着せる習慣があったようです。
昔と言っても、現在70代の男性の子ども時代の写真にもドレス姿のものを見たことがあるので、それほど大昔の事ではなく、結構最近まで習慣として残っていたようです。

元々は今ほど医療が発達していなかった時代の風習でした。
女児より体が弱かった男児は乳幼児の死亡率がとても高かったそうです。
このため、女の子の恰好をさせて悪魔を騙す、という意味で魔よけだったともいわれています。

この風習はフランスだけのものではなく、日本でも平安時代ごろより同じ風習があったと言われています。
有名な写真で、昭和天皇が幼少期に坊主頭にフリルのワンピースをお召しになったものを見かけたころがあります。⇒参考画像

その昭和天皇がフリルのドレスをおめしになっていたのと同時期、1905年の新聞雑誌「Femina」より、可愛らしい少年コンクールなるものが開催されており、かなりの盛り上がりを見せる人気のコンテンツだったようです。

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↑全員男子です♡
こちらの13名は3500名のエントリーの中から一次審査を通過し、最終ステージに残った少年たち。
この時代におめかしをして写真を撮れるのはきっと相当な上流家庭のお子様だけだったと思われます。
3500名が少ないように思えるかもしれませんが、エントリーする時点ですでに難関だったと言えそうです。

そして栄えある可愛い男の子ナンバーワンの座を獲得したのは、こちらの少年。
5歳半のポールくんです♡
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カールした巻き毛、レースの飾り襟はまさしく女の子ファッション。
ですが、このコンクールに参加した男の子たちの中で、このような女児ファッションは珍しくありません。

↓こちらのジャンくんも長い髪にレースの飾り襟。

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↓こちらの少年はオフショルダーで色っぽささえ醸し出しています。

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「Femina」は女性向けの雑誌だったため、よりフェミニンな衣装が好まれたというのもあるかもしれません。
わが子の健やかな成長を願って女の子ファッションを着せていた親の気持ち…?

余談ですが、第一子に男児をもつ私。
楽しいけれど大変な男の子育児をしていく中で、女の子のお洋服のかわいらしさを何度も羨ましく思いました。
時代が時代ならきっと嬉々としてフリルとレースのドレスを着せていたことだろうと思い、男の子をドレスで着飾らせる親の気持ちの片鱗が理解できたような気がしたのです(笑)

更に余談ですが…
3歳の娘は現在日本語やフランス語をどんどん吸収しているところです。
そんな娘が「男の子はぎゃるそんって言うんだよ」と教えてくれました。
女の子はなんていうの?って聞いてみたら「女の子はぷりんせすって言うのよ」ですって♡
面白過ぎて間違いを正せない自分がいました。
※女の子⇒filleフィーユ です、正解は。

2018-06-17 | Posted in BLOG, 雑記Comments Closed 

 

繊細で丈夫、ヴァランシエンヌレース

「アンティークレース」と一言で言っても手法や流行した年代、特徴や価値は様々。
古いレースと上手に付き合うためにも、それぞれの特徴を再確認してまとめておこうと思います。

アンティークレースのお勉強、本日はヴァランシエンヌレース(dentelle Valencienne)についてです。

(さらに…)

2018-04-14 | Posted in BLOG, アンティークレースComments Closed 

 

マドモワゼルのお衣装

100年前のファッション誌に出会う

蚤の市の片隅で、1905年発行のフランスの女性誌「Femina」を見つけました。

Feminaは1901-1954にかけてフランスで発行されたファッション雑誌。
ブルジョワジー層が対象で、ゴージャスな紙面には当時の女性の憧れが詰まりに詰まってあふれ出ています。
フランスの有名な文学賞「フェミナ賞」は、後にこの雑誌のタイトルからつけられたんだそうです。

100年前のファッションやレースについての貴重な資料になると思い購入したものの、読み始めると当時の華やかな世界に引き込まれ、つい時間を忘れる面白さ。
写真やイラストがふんだんな、何ともフェミニンなページの数々にうっとりしながら眺めるのは至福のひと時です。

(さらに…)

2018-04-08 | Posted in BLOG, アンティークレースComments Closed