アンティーク銀食器

銀食器の刻印 -1- 純銀かメッキかを見分ける方法

銀食器を選ぶ時、デザインやインスピレーションとは別に大切なのが銀の質。
多くの国では銀製品には材質に応じた刻印を刻むことが義務付けられています。
これが、国によっても時代によっても違うのでアンティークの商品を見る時にはちょっとした苦労が…
時折銀の刻印についての説明をお問い合わせいただくことがあるのですが、まだまだ勉強不足なためすらすらとお答えできない事も多く日々情報収集しております。
ほんと、お恥ずかしい限りで。
私が手にするほとんどの銀食器は古いフランス製のものなので、フランスの刻印についてはたくさん見て見分け慣れてきました。
そこで今日はフランスの銀食器の刻印についてちょっとご紹介を。

 

純銀製と銀メッキ製、呼び方の違い

まず、ご存じかとは思いますが銀食器には『純銀製』と『銀メッキ製』があります。
純銀製を「スターリングシルバー」、銀メッキを「シルバープレート」と呼んだり表記したりもします。

フランス語では、純銀⇒argent massif  銀メッキ⇒metal argenté  などと言います。
蚤の市で売主さんが素材を教えてくれることもあるので、この二つの単語を頭の片隅に置いておくとわかりやすいと思います。
しかし、高く売るためにでたらめを言う人もいるかも知れません。
自分の目で刻印をしっかりと確認して購入しなければ後悔することになる可能性も…

純銀製品の刻印の特徴

純銀かめっきかで当然のことながら価値、価格が大きく違ってきますので、この2つを見分けるのはとても大切なこと。
といっても全然難しい事ではありません。
フランスの銀食器にはたいてい2つ(以上)の刻印が刻まれています。

この場所や、柄の裏側に入っている事が多い刻印
純銀製の場合、決まった刻印があります。
それが『ミネルヴァの横顔』と呼ばれているものです。
上の写真の場合、右側に刻まれていますね。

フランス政府より公式に発表されている「ミネルヴァ」の刻印
上図の2つの刻印はほとんど同じように見えますが、ほんの少し違います。
この違いは銀の純度の違いを表わすもので、上のものが純度95%以上、下のものが純度80%以上のに刻まれます。
残りの数%分は銅などの別の金属が混ざっているという事ですが、純度の高い銀は柔らかく傷ついたり曲がったりしてしまうため、実際に使うにはこうやって強度を上げる事も必要なのだとか。

写真では不鮮明ですが、ミネルヴァの横顔が刻まれています

ちなみにミネルヴァとは…ギリシャ神話に出てくる「知恵と工芸を司る女神」なのだそうです。
1838年以降使われている刻印で、現在製造されている銀食器にも同じものが刻まれています。

製造メーカーを示す刻印、純銀製品は「ひし形」

そして、もうひとつの刻印は製造メーカーを表すもの。
写真では左側に刻まれているものです。
これは各メーカーによっても年代によっても違うのでなかなか肉眼で見分けるには難しいかもしれません。
たくさんの銀食器メーカーがそれぞれオリジナルの刻印を持っているのです。
でも、これも純銀製品を見分けるには大切なカギ。
純銀製品に刻まれるメーカー刻印は『ひし形』と形が決まっていました。
ミネルヴァの横顔と共にひし形の刻印を見つけたら間違いなくめっきではない純銀製品だと言えると思います。
各メーカーの刻印を一覧にした書籍などもたくさん出版されていますので、この刻印から作られたメーカーや年代までもを探り出すことが可能なのです。

我が家に一組だけある純銀製のカトラリー

と、銀の世界は奥が深く…長くなってしまいました。
まだまだほんのさわりでしかないのですが、銀食器の刻印についてまた続きのお話もする機会があれば…と思っております。

銀食器の刻印 -2-

2010-06-09 | Posted in アンティーク銀食器No Comments » 
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