雑記

蚤の市で見つけた宝箱 -名画の中のアンティーク-

「宝箱」を見つけた!

蚤の市での出会いは、毎回予想がつかないドキドキの連続ですが当たり日もあれば外れ日もあります。
見つけた!と思っても、さっと横から手が伸びあっという間にお買い上げされて連れ去られていくお宝も…

そんなスリル溢れる?ある日の蚤の市で目の端に飛び込んできたものはまさしく「宝箱」でした。 (さらに…)

2018-03-24 | Posted in BLOG, アンティークレース, アンティーク雑貨, フランス蚤の市, 雑記Comments Closed 

 

アンティークレース、リネン類のお洗濯

ステキなんだけど汚れのひどいアンティークレースがお手元にあったとして、あなたはお洗濯しますか?アンティークレースのお洗濯について、私なりの考察です。

とても繊細なレース

チュールレースや絹製品、古くてもろくなっている刺繍布などは水にぬらすだけで劣化が進みます。
また濡れた状態では繊維がますます弱く切れやすくなりますので、濡れた状態では少しの力で裂けてしまう事も。
古く価値のあるレースは、コレクターさんたちは「決して洗わない」とおっしゃっている方も多いと聞きます。

しかし、あまりにも汚れが気になる場合やどうしても洗ってみたい場合には…
タオルを敷いて水スプレー、上から乾いたタオルでやさしく水分を押さえる、を何度か繰り返してみるやり方がレースへの負担が少なく、少しは汚れがタオルに移りきれいになります。
状態を見て、水スプレーを薄ーい洗剤液にしてみるなどするとより一層汚れは落とせます。
この場合は「すすぎ」として最後に水スプレーを繰り返すことをお忘れなく。

上記のやり方ではまだまだ汚れが落ちた気がしない場合、またはもう少し耐久性がありそうだと思う場合は、やはり水洗いでしょうか。
私は繊細なレースを水洗いする場合は、濡れた状態で直接手に持つ事を極力避けるため、必ず洗濯ネットに入れます。
ネットに入れた状態でぬるま湯、薄めの洗剤液などに浸け、柔らかく押し洗いします。
(お湯を使うと繊維が傷むと言う方もいらっしゃいますが、断然汚れ落ち度が違いますのでぬるま湯程度で…)
押し洗いというよりは、ふんわりと赤ちゃんの頭に触れるような扱いです(笑)
排水や水を変える時もザバー!とせずにそーっとちょろちょろ~っとやってます。
すすぎまで、終わった後は洗濯ネットごとタオルドライ→細心の注意を払ってレースを取り出し更にタオルドライ。
そのあと平たい場所で乾かします。
使用する洗剤は、デリケートな衣類用の液体洗剤が便利かと思います。

これらのやり方を決してお勧めしているわけではなく、あくまで劣化を心配する場合は「洗わない」のが一番だということを念頭においてください。
しかし、やはり水を通してよごれを落とした素材はさっぱりと気持ちよく、用途によっては必要な過程ですよね。
洗いたいものの素材の状態をよーく見て、洗う程度を判断してください。

やや丈夫な素材のレース

クロシェレースしっかりとした織地のボビンレースなどはやや丈夫な素材のレースです。
これらは洗濯ネットに入れて普通のお洗濯と同じように洗っても問題ないものもありますが…
やはり洗い扱いをしていると、糸切れや劣化が進みます。

そんなやや丈夫だけど劣化させたくない大切なレースのお洗濯の場合は「浸け置き洗い」をすることが多いです。
浸け置きに使うのは酸素系漂白剤。
40度以上のお湯に溶かし30分から1時間ほど浸け置きます。
よくすすいだ後は繊維の状態次第ですが、丈夫なものはゆるく脱水をかけても問題ないものもあります。
いずれにしても、全工程を洗濯ネットに入れた状態で行うのが劣化防止になるのでお勧めです。

この酸素系の漂白剤ですが…
布おむつや布ナプキンのお洗濯に使う方も多いようで、漂白効果以外に徐臭や殺菌の効果もあります。
また合成洗剤ではないためお肌の弱い方でも安心して使えます。
が、お洗濯でこれを使う場合は直接肌に触れるとかなり肌荒れしますのでゴム手袋必須です。

フランスでは「Percarbonate de sodium」と呼ばれており、オーガニックのお店などで扱われています。
La Droguerie écologique - Percarbonate de Soude 2.5Kg

普段使いのもの

普段使いのもの、衣類やキッチンリネンなど、頻繁にお洗濯することを想定しているものは、普通のお洗濯をしても大丈夫なものがほとんどです。
刺繍やレースで飾られたものは、本体が丈夫でもその部分だけお洗濯で劣化することが考えられますので、洗濯ネットは必須ですが。

上記の酸素系漂白剤の浸け置きはこんなリネン類の汚れを落とすのにも役立ちます。
また酸素系漂白剤はお湯の温度が高いほど洗浄効果も高いので、丈夫なリネン類は熱いお湯で浸け置きすると良いかもしれません。
フランスのおばあちゃん世代は、大きな鍋にお湯を沸かし、キッチンリネン類と粉末洗剤を入れて煮る!という方法でお洗濯していたそうです。
この方法でふきんはいつも真っ白だった、というお話を聞かされたことがあります。

また、汗ジミや食べこぼしの汚れなどが気になるのもこのような普段使いのリネン類。
上記のような繊維に優しい酸素系の漂白剤では落としきれない経年の汚れもあります。
長いこと放置された汚れはそうそう簡単には落ちないものです…

そんな場合は思い切って「塩素系漂白剤」を部分的に使うこともあります。
塩素系の漂白剤は漂白効果が高く色柄も白くしてしまうほど。
その分繊維へかかる負担も大きいため、アンティークレースのお洗濯としては劣化覚悟の「最後の手段」としていますが、日常使いの丈夫なリネン生地なら、そもそも購入前に何度も漂白されていたりします。
あくまで部分使いをお勧めしますが、目立つ汚れの箇所に綿棒などで塗布し、様子を見ながら長時間は放置せずにすすぎ洗いします。

フランス人はこの塩素系漂白剤「eau de javel」が大好きで(笑)お洗濯やお掃除など、よく使われています。
ジャヴェルの匂いがして初めて清潔になった実感がわくような感じでしょうか…

しかし、この塩素系漂白剤はあくまでどうしようもない時、リスク覚悟で行う染み抜き方法だということをお忘れなく。

蚤の市からやってきたレースたち

このようなレースのお洗濯方法が通用しないほど汚れた状態で発見されることも多い、蚤の市からやってくるレース、リネンたち。
本来なら、レース類は洗わない状態、仕入れた時のままの状態でお届けするのが基本なのですが、砂や埃、枯葉やその他のよくわからないものにまみれて、シミや変色以前の汚れ落としが必要な場合もあります。
またそんな状態のものの中からお宝を見つけ出すのが醍醐味であったりもするのですが…
そんなひどい状態のレースリネンのお洗濯は、ひときわやりがいがあります。

まず一番大切なのは分類です。
繊維の丈夫さを見て分類してお洗濯を行います。
また汚れのひどいもの、そうでないもの等に分けることも。

そうやって分類したレースリネン類は、上記のような方法でそれぞれにお洗濯しますが、工程の一番最初に「ぬるま湯でのすすぎを繰り返す」が加わります。
何度も水を取り替えて、泥水のような色からややきれいになるまで繰り返します。
そしてやっと、浸け置きなどの選択工程に入ります。
ただし、繊細なチュールレースなどはまとめて洗うことはもちろんなく、一枚一枚状態を見ながら、本当に必要な場合のみ最小限のお洗濯を行います。

汚れ、湿気からの劣化を防ぐ

繰り返すようですが、繊細なレース類は水洗いはしない方が良いです。
しかし、汚れや湿気を残したまま保管しているとそれが劣化の原因となり、その部分から破れたり裂けたりしてきます。
虫食いやカビは一緒に保管している他のレース類に影響を及ぼすこともあるので、最低限の清潔な状態で保管するのが望ましいところ…
水洗いによる劣化と、汚れからの劣化…
洗うべきか、洗わざるべきか…
この判断がなかなか難しいのです。

そして、洗うほどではないレースリネン類の場合でも、買ってきたばかりの状態では湿気を含んでいるものもあります。
そんな場合はアイロンで湿気を飛ばすだけでもさっぱり感が全然違います。
湿気た独特の匂いもましになりますし、何より熱による殺菌の効果もあります。

アンティークレース、リネン類のお洗濯での失敗

これまでたくさんのレースを扱ってきましたが…
お洗濯による失敗は何度かあります。

一番多い失敗は、買う際に「この程度の汚れはお洗濯できれいになるな!」と思ったものが、なかなか汚れが落ちなかった…という判断ミスでしょうか。
そして、洗濯に耐えそうだと思ったものの実際に洗うとボロボロになってしまった…という判断ミスも。
そんな失敗を繰り返すうちに、落ちる汚れと落ちない汚れがを見極める目が徐々に育ってきたように思います。
とは言え、いまだにこの判断ミスは時々あり、反省の日々なのです。

そして、白刺繍のリネン類で多いのですが…刺繍糸の変色、縮み。
白刺繍の場合、刺繍をする生地と使う糸の素材が当然ですが違います。
お洗濯した時の縮みもやはり違うためステッチ部分だけぎゅっと縮んでしまう事はよくあること。
これはある程度はアイロンがけで何とかなるのですが、厄介なのは糸のみ変色する場合。
刺繍糸だけブルーがかった色やグレーっぽく変色することが時々あり、そもそもそんな風に変色した状態で売られているものも多く見かけます。
不快な色味ではなくそれはそれでアンティークの風合いとして見られることもありますが、やはりお洗濯が影響していることは否めません。

うっかりとシルク布を洗濯してしまい…布が糸になった!という失敗も。
糸というか、繊維の束のようになってしまうのはシルクの洗濯あるあるですよね(笑)
リヨンの町はかつて絹織物が盛んでしたので、蚤の市で売られている布物の中にも絹製のものがよく混じっております。
もちろん、わかっていれば洗濯などはしませんが時々ついうっかりと絹物を混ぜてしまう失敗があるので、気を付けなければ。

干す時の扱いも注意しなければ、びりびり!と破れる失敗につながります。
無事にお洗濯を終えて一安心のレースたちを取り出し、干す過程で少し強く引っ張ってしまい破れたという失敗が洗濯の過程の中で割とよくあります。
濡れた状態のレース類は本当に破れやすいのです。
しわを伸ばすためについつい引っ張りたくなりますが、やさしく新生児を扱うように…を心掛けてください。

アンティークレースのお洗濯、まとめとして

アンティークレースには、一枚一枚に個性と魅力と、そして「汚れ」があります。
お洗濯はそれぞれのレースの特徴を見極めて行ってくださいね♪
以下、アンティークレースのお洗濯の際に心にとどめる三カ条です。

  • アンティークレースは水洗いせずに済むのなら控えるべし。
  • 水洗いは、そのレースの耐久性を見ながら慎重に進めるべし。
  • どんなレースにせよ、お洗濯の際には洗濯ネットを使うべし。

※こちらの記事に記載した、アンティークレースのお手入れ方法などは個人的経験に基づくものであり、効果を保証するものではありません。ご利用の場合は自己判断でお願いいたします。

2018-03-19 | Posted in BLOG, アンティークレース, 雑記Comments Closed 

 

アルトワ伯爵と妹クロチルドの肖像 -名画の中のアンティーク-

絵画の中で上品にほほ笑む貴婦人の姿には、何百年の時を経てもうっとりとため息が出ます。
が、肖像画を見る時どうしてもついついお衣装の方に目が行ってしまうのは私だけでしょうか?

一目でシルクと分かるなめらかな質感まで描写した名画の中には、当時の最高級品であったレースも詳細に描いているものが少なくはありません。

かつては金や宝石よりも価値が高いとされていたレース。
それ自体が富と権力の象徴だったと言われています。
自身の身に着け肖像画を描かせることが、当時の有力者のステータスだった事が想像できます。

そんな風に名画の中に素晴らしいアンティークレースを探すのも鑑賞の楽しみです。

本日はレースが素敵な絵画の中でも、とりわけ気に入っているこちらをご紹介したいと思います。


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アルトワ伯爵と妹クロチルドの肖像 ルーブル美術館

この絵はフランス国王シャルル10世の幼少期の姿を描いた王家の肖像画です。

仲の良さそうな兄妹の姿が生き生きと描かれています。

この絵が描かれた時6歳だったシャルル10世は、アルトワ伯爵(Conte d’Artois)と呼ばれていました。
妹のクロチルドは4歳だったそうです。
装飾やレースがふんだんに使われたお衣装でおめかししています。
汚し盛りの幼い子供にこれほどの繊細で上質な衣装を纏わせるのは、さすがに王家の家族の品格ですね。

この肖像画、特に妹のクロチルドの衣装に使われているレースの美しさといったら…

4歳の少女はまだ頭にボネをかぶっています。
その縁取りはちらりとしか見えないのに素晴らしく繊細なレースだとわかります。
首元でリボン結びされたシフォンも可愛らしさを引き立てています。

更に大きくデコルテが開いたドレスの胸元には刺繍が施された繊細なレースの装飾が。
そしてスカートに重ねるように贅沢に使われたレースといったら…
これはボビンレースの一種であるフランドルレース(dentelle de Flandre)だと記録されているそうです。
また袖元に幾重にもフリルをつけたレースも、同じくフランドルレースなんだとか…

これほどに豪華な衣装を身に着けて、愛らしく微笑む少女。
たった4歳の女の子なのにやはり衣装に負けない気品が漂っています。

豪華なレースを身に纏った肖像画には、富と権力を見せつけるような押しの強いものもあります。
しかし、この幼い兄妹は自然に気負いなく着こなしているところが素敵です。
生まれながらの気品ですね♪

やはりいくら高価で素晴らしいお衣装で着飾っても「品」がないと、ですね。

こちらの絵は、ルーブル美術館のinstagramから詳細部の拡大もご覧いただけます。
アルトワ伯爵と妹クロチルドの肖像

 

 

 

2018-03-07 | Posted in BLOG, アンティークレース, 雑記Comments Closed